TPPや北朝鮮問題など、相変わらずトランプ大統領をテレビで見ない日はありません。
大統領就任からあっという間に1年が経ち、早くも中間選挙を意識する時期が来ています。
ヒラリー・クリントン氏と激戦を繰り広げた大統領選がつい先日のように感じますが、もう「中間」選挙とは・・・!
月日が経つのはとても早いですね。
2018年のアメリカ中間選挙に向けて、これまでのトランプ政権を振り返ってみましょう。
中間選挙の日程
アメリカでは大統領選と大統領選の間、つまり任期がちょうど半分過ぎたところで、上院・下院共に中間選挙が実施されます。
原則「11月第1月曜日の属する週の火曜日」を選挙の日として定めているので、今回の中間選挙の投票日は2018年11月6日です。
トランプ大統領の公約
数々の過激な選挙公約を掲げて大統領選で当選したトランプ大統領ですが、現時点でどのくらい公約を実現したのでしょうか。
1.TPP離脱△
環太平洋の国々の貿易協定であるTPPから公約通り離脱しました。しかしその後、条件次第では復帰しても構わないと示唆しています。
アメリカの自動車産業を守るために、日本からの輸入自動車に高い関税をかけようとするなど、日本への影響も大きい政策です。
アメリカ経済への悪影響は徹底的に拒むつもりのようです。
2.パリ協定の脱退△
気候変動に対する国際的な枠組みのパリ協定から、公約通り離脱を表明していましたが、「場合によっては復帰も考えられる」と述べています。
ここでも、アメリカ経済の停滞につながる要因になる恐れがあるものには、躊躇なく「No」を突き付けていますね。
3.エルサレムを首都に認定〇
中東情勢を悪化させるとの国際社会の批判を無視して、長年対立の続くイスラエルとパレスチナの問題に踏み込んでいます。
かなり強硬的ではありますが、この件では公約を実現したと言えます。
4.医療保険制度「オバマケア」の撤廃△
オバマケア廃止には反対意見も根強く、廃止法案はまだ成立していません。
しかし、2017年に成立した減税法案の中で、オバマケアにおける個人の医療保険加入を支援する補助金が削減されたので、トランプ大統領は「オバマケアを実質的に撤廃した」と述べています。
完全撤廃にはまだまだ障壁が多そうです。
5.メキシコとの国境の壁×
こちらも目玉政策ではありましたが、予算が付かず、まだ実現できる見込みがありません。
6.イラン核合意の破棄〇
2015年にイランがアメリカやヨーロッパ諸国と合意していた核廃絶の合意に関して、合意の見返りとして停止していた経済制裁を再開すると表明しました。
波風を立てる必要があったのか疑問視されていて、中間選挙を意識して「公約を実現するため」という側面が大きいと言われています。
こうして列挙してみると、案外本当の意味で公約の実現はできていません。
一見公約を実現したように見えたTPPやパリ協定に関しても、脱退を表明後に条件次第では復帰するなど、態度を変える発言をしています。
また、私たち日本人にはピンと来ませんが、アメリカ国内では最も重要な公約とも言える「オバマケア」に関しても、まだ実現に向けて議会に働きかけている段階です。
中間選挙の注目点
現在は上院・下院共に与党共和党が過半数を占めています。
しかし、上院では野党民主党との議席数にたった2議席しか差がありません。
過半数を失う可能性も十分にあるのです。
トランプ大統領が大統領に就任してから、支持率は大体40%程度で推移してきました。
過激な政策に反トランプ派も多く、もっと支持率が低い印象があったので、正直言って意外にそこそこの支持率を保っていると思いました。
白人高所得層など一定数の人の指示は厚いようです。
トランプ大統領の政策は過激で当然賛否両論がありますが、大統領候補者の立場では好き勝手言っていても、実際に大統領になると、現実的に実現が難しくなるだろうと思われていた数々の政策をひたむきに実現させようとしています。
そのため、大統領選でトランプ支持だった人は、現在もトランプ大統領支持を続けている傾向があります。
今後の支持率の変動へも注目です。
前述のように公約の実現を進めているトランプ政権ですが、アンチ・トランプ大統領が多いのも事実です。
嫌いな人は徹底的に嫌いでしょうね。
与党であるはずの共和党内部でも、反トランプを掲げる候補者がいるなど、一筋縄ではいかないようです。
しかし、野党民主党にもトランプ大統領の対抗馬になる魅力的なリーダーが不在で、政権交代への戦略が見いだせていません。
まとめ
11月の選挙はまだ先の話のように思ってしまいますが、もう攻防戦は始まっているようです。
「グレート・アメリカ」「アメリカ・ファースト」など強い言葉が印象に残るトランプ大統領に、大統領就任と同時に次々と公約を実現しているかのようなイメージを持っていましたが、実際にはまだまだ道半ばといったところです。
トランプ政権にゴーサインが出るのか、はたまたストップがかかるのか・・・日本への影響も大きいだけに、アメリカの中間選挙の行方には目が離せませんね。
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