米中貿易戦争の拡大

2018年7月6日、アメリカ政府は中国の知的財産の侵害を理由に、中国製品340憶ドル相当に対する関税を25%引き上げました。
これに対して中国政府は、すぐに対抗措置として、アメリカ製品340憶ドル相当に対する関税を引き上げたのです。
そして、今後も関税の追加は続いていくと見られています。
最終的には、関税対象が5000憶ドル相当となる可能性が懸念されています。
世界の二大経済大国が高関税をかけ合うこの争いは、米中貿易戦争と言われる程の異常事態です。
これまで、アメリカと中国は貿易に関して友好的な関係を築き上げてきましたが、トランプ大統領は有権者の歓心の為に、中国に対して一方的に貿易戦争を仕掛けたのです。
今年は11月にトランプ政権が国民によって審判される中間選挙がある為、有権者にアピールをする必要があります。
その為、トランプ政権が中国に対して関税措置の手を緩めることは無いでしょう。
また、トランプ政権は中国だけではなく、同盟国であるはずの日本、カナダ、メキシコ、EUに対して、既に鉄鋼・アルミの関税を引き上げました。
カナダで開催されたG7で、貿易問題をめぐりトランプが孤立していたように、アメリカが中国のみならず、カナダやEUのような世界の主要な経済国を相手にも貿易戦争を引き起こせば、世界の中で孤立することになるでしょう。
この世界の中での孤立を引き起こす、貿易面での「アメリカファースト」が、果たしてアメリカの国益となるのかについては疑問が残ります。
輸入品に対して関税を引き上げることは、輸入品に圧迫されてきた国内産業は利益を受けることになりますが、この貿易戦争により、アメリカの輸出産業や消費者の悲鳴に繋がることは十分に考えられます。
アメリカの輸出産業は、高い関税を払わなければ他国へ輸出が出来なくなるし、アメリカの消費者からしたら、今まで安く買えていた輸入品の価格が上がるわけです。
国内製品の価格が下がるわけではないので、消費が苦しくなり、アメリカ全体の購買力の低下につながる可能性は否定できません。
アメリカの輸出産業は、高い関税の為、輸出しにくくなりますが、アメリカ以外の国同士では、低い関税での貿易を行うことが出来ます。
戦後、自国が作り上げてきた世界全体の協力体制を破壊してしまえば、アメリカ抜きの新しい世界秩序を生み出すことになるでしょう。
今の自由貿易では、アメリカが損をするから、保護貿易に切り替えようというのがトランプ大統領の考えなのですが、そんな短絡的な考えが長い目で見て、アメリカの国益を自ら破壊することに繋がらないとは限りません。
米中貿易戦争の日本への影響は?

米中の貿易戦争で、気になるのはやっぱり日本への影響ですよね。
日本にとって避けたい事態は、貿易戦争が自動車に飛び火することです。
実際に、トランプ大統領が安全保障を理由に輸入自動車の関税を25%に引き上げる検討に入ったと伝えられています。
日本自動車のアメリカ輸出は、年間約170万台規模に達していて、国内生産の約2割を占めています。
日本自動車のアメリカでの現地生産が増えたとはいえ、自動車の関税引き上げが現実のものとなれば、日本の自動車産業に影響が出るのは言うまでもありません。
トランプ大統領は、「日本は貿易面に関しては同盟国ではない」と発言しています。
20世紀に起きた日米貿易摩擦の再燃する可能性も否定はできません。
また、中国製品の部品には日本製のものが使われていることが多く、日本にとって、米中貿易戦争も関係がないものとは言えません。
今までの日本はアメリカに対して、あくまで穏便な姿勢を取ってきましたが、今後は新しい国際秩序への対応を迫られるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、トランプ大統領の貿易政策についてお話してきました。
攻撃的な発言が目立つトランプ大統領の「アメリカさえ得をすれば良い」という「アメリカファースト」は、アメリカを世界の中で孤立させることになるでしょう。
何かと、アメリカに振り回されることが多い日本です。
今後もトランプ大統領の動向からは目が離せませんね。