台風12号が東から西に移動した理由は?
さて、今回の迷走台風12号ですが、他の台風と同じように赤道偏東風にのって、日本に近づいてきました。
本来ならば、偏西風にのって北東方向に動くか、太平洋高気圧のフチに沿うように、いったん日本海側に出たとしても北東方向に進むなどの動きをすることが考えられていましたが、12号の動きはまったく違うものでした。
それは、太平洋高気圧にそって北に進んだものの、丁度日本の東側にあった「寒冷渦」と呼ばれる寒冷低気圧が起こす左向きの空気の流れに巻き込まれ、東から西方向へと進んでしまいました。
そしてその寒冷渦から抜けた後は日本海側へと抜けることも考えられていたのですが、大陸からチベット高気圧がぐんと張り出してきていたため、日本海側にいくことも出来ず、どんどん西へと進むことになったのです。
こんな感じ
今後は九州を縦断して中国大陸の方へ向かう予想が出ています。
こんな進路、昔のテストで間違いの選択肢に入れられるような進路です。
今回の台風で、進路を自由に書かせる理科の問題は成りたたなくなった気がしたのですが、ちょっと調べてみたら他にも変わった進路を取った台風がありました。
過去の迷走台風あれこれ
これまで複雑な動きをした台風をピックアップしてみます。
平成28年台風第10号
日本にむかって北西方向に進んだ後、伊豆諸島付近で南西方向に進路を変え、東海~九州沖で左回りに大きく円を描くように進んだ後、岩手県に上陸し、東北地方を縦断しました。
8月21日に四国沖で台風になってから、31日に日本海で温帯低気圧に変わるなど長期間に渡りニュースで注目されました。
引用:ウィキペティア
平成28年台風第10号 - Wikipedia
平成15年台風第18号
マリアナ諸島近海で発生し、およそ1週間かけて太平性高気圧の縁を一周しました。
きれいな円を描くように動き、前例が無い非常に珍しい台風となりました。
引用:ウィキペティア
平成15年台風第18号 - Wikipedia
平成13年台風第16号
沖縄県石垣島近海で発生し、東に進路をとりました。
しかし、太平洋高気圧に行く手を阻まれてしまい、迷走が始まる事となりました。
9月7日から8日にかけて沖縄県を通過し、西に向かったものの、東シナ海で再び沖縄方面に向かい、9月11日から13日にかけて沖縄近海で停滞しました。
長時間にわたって暴風雨にさらされた沖縄県では、死者行方不明者99人という大きな被害が出てしまいました。
詳細:ウィキペティア
平成13年台風第16号 - Wikipedia
迷走台風の進路を見てみると、ここに太平洋高気圧があったのかな?とか、チベット高気圧が張り出していたのかな?と色々考える事ができます。
ウィキペディアのリンクを貼りましたので、ぜひ台風経路図を見て想像してみてください。