映画「夜のピクニック」の感想やネタバレ!

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「夜のピクニック」の制作年度

2006年

2009年4月にDVD視聴

「夜のピクニック」のあらすじ

高校三年生の貴子は、高校最大の行事である歩行祭で、同じクラスの異母兄弟である融に話しかけるという賭けを自分のなかでする。

それは親友にさえ明かしていない秘密であった。

決死の思いで歩行祭りに挑む貴子の仲間たちも、様々な思いを抱えて歩行祭に参加していた。

昼夜を伴にしひたすら歩き続けるなかで、それぞれの思いが浮き彫りになっていく。

一方歩行祭でどこのクラスにも属さない謎の少年が目撃されていた。

その少年の存在が貴子の賭けに大きく関わっていくこととなる。

アメリカに旅立っていった貴子の親友杏奈や美和子との友情も描かれる。

「夜のピクニック」で印象に残ったシーン

まず高校最大にして最後の行事という聞いただけで、甘酸っぱいような舞台で賭けの内容が異母兄弟に話しかけるというのが面白い。

貴子のモノローグと延々と映る茨城県の風景、オーバーラップする融と貴子の父親の葬儀などの過去の記憶に、最初の方は少々退屈に感じてしまう。

だが、物語は夜になって展開していき、実は貴子の秘密は親友二人の知るところであったことや、融とその親友忍の隠していた秘密などが明らかになっていく。

女子三人の友情が描かれる一方で、付かず離れずな融と忍の男同士の友情も描かれ、特に最後の自由歩行で忍が融と最後まで歩くと決意するところは、ちょっとした感動シーンである。

昼夜通して歩き続けることで生まれる独特の作品全体の雰囲気や、高校最後の最大の行事というどこか感傷的な設定もあり、ノスタルジーの世界に引き込まれ、自分も高校生に戻ったかのような感覚に陥る。

そこがこの作品の一番のいいところかもしれない。

また、脇を固める大人たちやその配役も絶妙でいい。

「夜のピクニック」の全体の感想

主人公の高校生活は漫画のようにキラキラでもなく、かといって暗くもなく、あくまで平凡である。

歩行祭で起こった出来事も、取るに足らないような出来事なのかもしれない。

でも、その小さいけど自分にとってはこの先も大きくなっていくであろう出来事を丁寧に撮っているというのがとてもいい。

賭けは成功したものの、この先彼との関係性はどうなっていくのかわからない。

その場の行事の空気で成り立った部分もあるから明日からはなかったことになるのかもしれない。

そんな先の展開もあとは視聴者に委ねるところもとてもいい。

最後のゴール地点で何事にも冷め気味の貴子が、皆で手を繋いで目を潤ませながらゴールするところも青春という感じでよかった。

昼夜通して歩くという設定なので、日が落ちたり沈んだりするところで視聴者の気持ちの切り替えにも一役かっているように見え、展開の派手さがない中でそれは新しいと感じられた。

アイドルの女優や俳優ではなく、現在も活躍している演技が出来る若手を起用したところもとてもいいと思う。

リアルな高校生活に感じられる一因となっている。

地味だがこころに残る映画である。

「夜のピクニック」で気になったところ、もやもやしたところ等

途中途中で貴子の妄想のようなパートが入るので、そこは寒くてなかなか年を重ねた視聴者には見るのは難しいと思う。

また、貴子と融に焦点が当たっているのはよかったのだが、原作では他の仲間たちもそれぞれに悩みや問題を抱えていて、そこも少し入ってくるとよかった。

その心情を吐露するシーンが感動的であったり、登場人物の関係性に関わってきたりするので、人間関係がイマイチ深みに欠けたようになっている。

配役はとてもいいのに内面が見えてこないような作りが少し残念であった。

あとは実際の高校生も多数エキストラとして出演しているだけあって、高校生がたくさん集まった際のあの独特の雰囲気が出ていたのは、作品の中の大きな助けになっていると感じた。

叙情的な部分も多くあるし、起承転結がはっきりとある物語ではないため,分かりやすい映画を好む人にはなかなか受け入れがたい映画ではないかという印象は持った。

一番の魅力は、見ている間は高校生に戻れるというその宣伝文句そのものであるように思う。

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