2島が返還される=日露間で「平和条約」が締結されるということ
そもそもの前提として、日本とロシアの間では戦後70年以上たった今でも、「平和条約」が結ばれていないことを思い出してください。
アメリカやイギリスなどの連合国側とは、1951年に「サンフランシスコ平和条約」を締結し、「戦後の仲直り」は済んでいますが、ロシア(当時のソ連)は条約に参加していません。
ロシアのようにこの条約に参加しなかった国として、中国やインドなどがありますが、それらとはちゃんと後で講和条約を結んでいるにも関わらず、ロシアとはまだなのです。
ただ、日本と北朝鮮のように国交を断絶しているわけではありません。
サンフランシスコ条約から遅れること5年、1956年には日ソ共同宣言を発表し、これからも平和条約締結に向け交渉を続けていくことを約束し、一応国交は回復しています。
その後も、日本とロシアは、日ソ共同声明(1991)、東京宣言(1993)、クラスノヤルスク合意(1997)、川奈合意(1998)というように、何度も平和交渉を重ねてきました。
2001年の交渉では初めてプーチン大統領が登場し、1956年の「日ソ共同宣言」が、これまでの交渉プロセスの出発点であり、法的な基本の文書であることを確認しました。
そして、2014年に誕生した安倍内閣は歴代2位の長期政権となっており、同様にロシアで長期政権化しているプーチン大統領と安倍首相の首脳会談は25回目に達しています。
まさに、「日露間で平和条約を締結し、日ソ共同宣言に基づいて2島返還(引き渡し)を行うのはいつ!?」「今でしょ!」と言えるのではないでしょうか。
2島周辺の漁獲量がアップする!?
北海道産のお魚って美味しいですよね。
当然、北方四島周辺の水域も水産資源に大変恵まれています。
日露間には平和条約は結ばれていませんが、日本は、1998年以降に結ばれた「漁業に関する政府間協定」や「民間協定」に基づき、国後島周辺ではスケトウダラやホッケの漁業、色丹島や歯舞諸島周辺ではタコやコンブの養殖が行っています。
ただし、これは北方四島を実効支配しているロシアに対して、漁獲量を毎年交渉してやっと確保している漁業であって、大変肩身の狭い状態なのです。
つまり、2島だけでも日本の領土として認めてもらえるのであれば、これまでのように「漁獲量は2000トンまで!」など制限を設けられることもなくなり、漁獲量のアップが見込めるのです。
また、現在ある色丹島の水産加工場では、ロシア向けだけでなく、日本向けの水産加工物も製造できるようになることも期待されます。
最近値上がりしているタコがたくさん採れれば、たこ焼きにもリッチにタコが入れられるかもしれません。