北方領土問題は、日米関係と密接に関係している!?
さらに、もう1つ別の角度から2島返還のメリットを考えると、「日米関係を見直すきっかけになる」という点が挙げられます。
今後の平和条約締結交渉において、ロシア側が2島を引き渡す条件として「アメリカ軍基地を置かないこと」を提示してくることが確実視されています。
なぜなら、仮に2島が返還され「日本の領土」と認められた場合、現在の新安保条約や日米地位協定上では、アメリカ軍が色丹島へ空軍基地を建設することが可能だからです。
沖縄の辺野古基地建設すら反対できない日本が、アメリカに対して「返還された2島にはアメリカ軍を置くことはできません」と主張できるのでしょうか?
思い返せば、終戦時の土壇場にロシア(当時ソ連)が千島列島(クリル諸島)を制圧していった最中にも、アメリカ側の「航空基地を置きたい」という要望をソ連が拒否するやりとりがありました。
実際はアメリカのアラスカ州に既に基地があるので、それほど北方四島の基地建設にこだわる必要はないと思われますが、単純に「ロシアと日本が仲良くしたら面白くない!」という利由でこの問題に干渉してくる可能性は十分考えられます。
この書くと、アメリカの基地問題は2島返還のための大きな壁となりそうですが、ラッキーな一面もあります。
実は、現在アメリカ行政のトップを務めるトランプ大統領は、「ロシアと仲良くするのも悪くない」などと述べており、ロシアとの衝突を避ける傾向にあるのです。
このアメリカの様子を見るにつけても、やはり「2島返還を訴えるなら今しかチャンスはない!」と感じてしまいます。
まとめ
北方領土問題で2島が返還されると、日本としては以下のようなメリットが考えられます。
- 2島周辺の漁獲量アップ、水産加工場における日本産向け製品の増加
- 天然ガス等の地下資源をこれまでより安価に確保できる
- 日露間の経済協力の活発化
- 日本がアメリカとの基地問題を見直すキッカケになる
ただし、何よりも問題なのは、この領土問題の解決が長引きすぎていることです。
終戦から70年以上たった現在、色丹島や歯舞諸島には長らくロシア人が住み続けているため、今さら「2島を日本に返還するから出て行ってね」などと簡単に言うことはできません。
「平和条約を締結して2島返還してもらったからそれで終わり」ではなく、いずれは残りの2島や樺太島においても、両国民が気軽に墓参りや観光に来られるような、日本人とロシア人の共生社会を模索し続けていくことが大切なのではないでしょうか。