働き方改革関連法の概要

働き方改革関連法では、雇用対策法、労働基準法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法、じん肺法、パートタイム労働法(パート法)、労働契約法、労働者派遣法といった労働法がそれぞれ改正され、現代の労働環境や労働システム、就業時間などについて時代に則した改正がされました。
それでは、具体的にどのような改正がされたのか記載していきたいと思います。
1.時間外労働の上限規制
会社員にとって大きな影響を及ぼすのが、時間外労働の上限規制だと思います。
この法案が施行されることによって、一部職種を除いて、時間外労働の上限が月45時間年360時間となります。
特別な事情がある場合でも年間720時間を上限とし、休日労働も含めて「連続する2カ月から6カ月平均で月80時間以内」「単月で100時間未満」、「原則である月45時間を上回る回数は年6回まで」とガイドラインで規定されています。
罰則規定:時間外労働について規定の上限を超えた場合は、罰則として、雇用主に半年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられています。
2.年次有給休暇取得の義務化
この法案が規定されることで、企業は年10日以上の年次有給休暇が付与される社員に対して1年以内に5日の年次有給休暇を時期を定めて取得させるように義務付けられました。
罰則規定:30万円以下の罰金が義務付けられています。
3.高度プロフェッショナル制度
今回の法案を成立させる上で多くの議論をよんだ高度プロフェッショナル制度、通称「高プロ」といわれる制度ですが、高度の専門的知識を必要とする業務に従事し、職務の範囲が明確で一定の年収(年収1075万円以上を想定)を有する労働者を労働時間の規制から外す仕組みです。
この制度によって長時間労働が増えるのではないかという懸念もあり、多くの議論がなされました。
この法案に対しては60時間を超える時間外労働に対し、割増率5割以上支払わなければならないという規制があり、違反した場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が使用者に課されるようになりました。
4.同一労働同一賃金の推進
この制度は、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間で職務内容が同一であるにもかかわらず賃金の格差が生まれていたという状況を解消するために定められた制度で、被雇用者の雇用形態に関わらず会社に同様な貢献をしている場合は同じ賃金や給与を支払わなければならないとされる制度です。
これによって非正規雇用者であっても、正規雇用者と同様の労働をしている場合は、同一の賃金が支払われるようになり、収入格差が減少することが期待されます。
5.衛生管理の強化
近年では増加傾向にある、長時間労働や過重労働によって発症するうつ病や、突然死、自殺などが社会問題化されるようになりました。
他にも不適切な労働環境によって受傷する労働災害なども問題視されています。
この制度が導入されることによって、産業医の適切な診察を受ける事や、労働環境を整え、適切に環境整備を行うことが義務化されました。
これにより労働者の健康確保に努めたり、労働者が健康的に仕事を継続することができるような施策を取ることが企業に求められるようになりました。
この制度に違反して、企業が労働者に適切に診察を受けさせなかったりすると、50万円以下の罰金を支払わなければならないといった罰則規定が設けられています。
働き方改革関連法の問題点とは
今回の法案成立によって、多様で柔軟な働き方が推進されることや、休暇の取得が促進されること、時間外労働が制限されることになり、企業側にとっては効率的な生産性の向上や人件費の削減といったメリットが、労働者にとっては休暇が取得しやすくなったり、時間外労働が制限されることで、ワークライフバランスがとりやすくなるなどのメリットが出てくるように思えます。
しかし、この法案成立によるデメリットはないのでしょうか。
裁量労働制のデメリット
今回の法案の中に高度プロフェッショナル制度という施策が設けられましたが、この施策によって、就業時間の自由化が可能となりましたが、それを利用してみなし労働時間が増加するのではないかという懸念がされるようになりました。
就業時間が自由化される代わりに、過量なノルマを設けられた場合、従業員が長時間働く必要性が出てくるため、従業員の過労死のリスクが助長されるのではないかという意見もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
働き方改革関連法案が2019年度から施行されるということで、企業も労働者もこの法案を理解した上で労働管理をする必要性が出てきました。
今回の法案で時間外労働は制限されるようになったとはいえ、不就業時間の自由化によりみなし残業が増えるのではないかといった懸念もされています。
企業にとっても労働者にとっても双方にメリットのある働き方を作り出していってほしいと思います。