中東戦争をわかりやすく解説!トランプ大統領のエルサレム首都宣言との関係は?

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トランプ大統領は2017年12月6日、ホワイトハウスで演説を行い、「イスラエルの首都はエルサレムであり、大使館もそこへ移す」と宣言しました。

「え?イスラエルの首都はエルサレムじゃなかったの?」

と思う人も多いでしょう。

もちろん、イスラエルは「エルサレムが首都である」と宣言していますが、イスラエル国内に位置するパレスチナ自治政府も「パレスチナの首都はエルサレムである」と主張しているのです。

このような事態に陥ったのには、中東戦争、パレスチナ問題という複雑な歴史背景があります。

国際社会はこれまで、エルサレムをイスラエルの首都として認めてきませんでした。

その証拠に、各国の大使館はエルサレムではなく商都テルアビブに置かれており、エルサレムはあくまでも一地方都市として扱われています。

それでは、エルサレム首都宣言の背景にある中東戦争とはいったいどのようなものなのでしょうか。

また、トランプ大統領の「エルサレム」宣言との関係についてももう少し詳しく見てみましょう。

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そもそも中東戦争とは?

皆さんは、「中東」と聞くとどこの国を思い浮かべますか?

日本はアジアの東の端に位置しているので、中東と聞いても「なんとなく西アジアの方かなあ」という認識しかない人も多いことでしょう。

外務省の区分では、中東は「アフガニスタン・アラブ首長国連邦・イエメン・イスラエル・イラク・イラン・オマール・カタール・クウェート・サウジアラビア・シリア・トルコ・バーレーン・ヨルダン・レバノン・パレスチナ(自治政府)」を指すそうです。

しかし、第二次世界大戦後にアラビア語を母語とする北アフリカの国々で植民地から独立しようという機運が高まったため、世界的にはアルジェリアやモロッコなども含めて「中東」とする見方もあります。

では、「中東戦争」とは、これらすべての国を巻きこむ戦争なのかというと、そうではありません。

中東戦争は、主にイスラエル(ユダヤ人)とその周辺アラブ諸国(パレスチナ人)との争いをさします。

中東戦争は細かく分けると第一次中東戦争から第四次中東戦争まであります。

そもそも中東戦争が起こるきっかけとなったのは、1948年、イギリスの統治下にあったパレスチナに「ユダヤ人国家・イスラエル」が建国されたことです。

建国の背景には、ドイツのナチスによるユダヤ人大量虐殺でユダヤ人に同情が集まったことや、第二次世界大戦時のイギリスの三枚舌外交(フランス、ユダヤ人、アラブ人それぞれにいい顔をした)などがありました。

突然、故郷を追い出された形になったパレスチナ側は建国に反発し、建国翌日にはイスラエルに攻撃を開始し、イスラエル(ユダヤ人国家)とそれに反対する周辺アラブ諸国(元々イスラエル周辺に住んでいたパレスチナの人々)との争いが始まりました。

これが、第一次中東戦争です。

その後、スエズ運河をめぐる第2次中東戦争(1956年)、ゴラン高原のユダヤ人入植をめぐる第3次中東戦争(1967年)、オイルショックのきっかけともなったアラブ側の反撃による第4次中東戦争(1973年)と、争いは続きました。
しかし、1979年にイスラエルとエジプトが平和条約を結んだことで、争いは一旦沈静化したようにも見えますが、現在もパレスチナ解放機構と民間の非政府組織との軍事衝突は完全にはなくなっていません。

エルサレムは3つの宗教の聖地が密集!?

ここでエルサレムの歴史について少し振り返ってみましょう。

時は遡ること3000年前、現在イスラエルが自称首都としているエルサレムには、ユダヤ人王国があり、そこでキリスト教やイスラム教の源流となるユダヤ教が生まれました。

ユダヤ人王国時代に建てられた神殿の壁がエルサレムに残されており、「嘆きの壁」と呼ばれてユダヤ教の聖地となっています。

その後、紛争によりユダヤ人国家は滅び、約2000年前のローマ帝国時代にはキリスト教が起こります。

そのキリスト教を始めたイエス・キリストが張りつけにされたという「ゴルゴダの丘」が、エルサレムにあるため、エルサレムはキリスト教の聖地にもなっているのです。

さらに、7世紀にはアラブ勢力が強まり、イスラム教の予言者が昇天したと言われる岩「岩のドーム」が置かれ、なんとエルサレムはイスラム教の聖地にもなってしまったのです。

しかも、ユダヤ教聖地「嘆きと壁」・キリスト教聖地「ゴルゴダの丘」・イスラム教の聖地「岩のドーム」は、目と鼻の先、徒歩圏内に密集しています。

16世紀からはオスマン帝国がこの地を支配していましたが、これまでキリスト教・ユダヤ教・イスラム教のそれぞれの宗教を信じる人々は、この地に「共存」してきました。

しかし、第二次世界大戦後にユダヤ人国家イスラエルが建国されたことで、これまでの「共存」関係は崩れてしまったのです。

ユダヤ人率いるイスラエルは「3000年前から我々が支配していたのだ!」と主張し、アラブ人側は「聖地エルサレムを含むパレスチナ国家を建設したい!」と主張しています。

両者は真っ向から対立しているので、和平交渉へ向けての解決の糸口はなかなか見つからない状況となっています。

トランプ大統領によるエルサレム首都宣言の影響とは

こうした歴史背景を見ると、トランプ大統領のエルサレム首都宣言がいかに偏っていることがよくわかります。

イスラエル建国当初、アメリカはそこまでイスラエルに肩入れしていませんでした。

アメリカ政府の姿勢がイスラエル寄りになり始めたのは第二次中東戦争後、ソ連がアラブ諸国に影響を及ぼそうとし始めた頃からです。

アメリカは共産主義へ対抗するために、スラエルへの影響を強めていきます。

中東にも冷戦の構図があったというわけです。

その後、第三次中東戦争(1967年)でイスラエルがパレスチナをたった6日間で封じ込めた様子を見て、アメリカはイスラエルを同盟に値する軍事国家として認めるようになりました。

1971年以降、アメリカによるイスラエルへの援助額はどんどん増加して行き、2016年には3.9兆円に達しています。

ここまでアメリカがイスラエルに肩入れするのには、共産主義への対抗措置という意味もありますが、アメリカにある有力なユダヤ人ロビー団体(「パレスチナの地にユダヤ人の国を創ろう」という団体。1896設立)の影響も強いようです。

また、そもそもアメリカは国民の8割はキリスト教徒であり、プロテスタントの比率も高いので、「聖地エルサレムを大切にするというのは当然のこと」と考える土壌があるのかもしれません。

ついに1995年には、アメリカは大使館をエルサレムへ移転すべきという方針を打ち出しました。

しかし、ブッシュ大統領やオバマ大統領など歴代大統領は「延期」の判断を下し続け、慎重な姿勢を維持してきました。

しかし、ここにきてトランプ大統領の「エルサレム首都宣言」です!

エルサレムを公式の首都と認め、大使館も商都テルアビブからエルサレムへ移すというのです。

パレスチナ自治政府や、イスラエル周辺のアラブ諸国側にとっては、宣戦布告にも等しい宣言であり、この影響を受けてパレスチナ自治区とエルサレムでは増強されたイスラエル治安部隊とデモ隊との間で衝突が起こりました。

国連安保理も緊急会合を開き、各国がアメリカを批判しているので、アメリカは孤立状態になりつつあります。

【関連記事についてはこちら】

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エルサレム問題をわかりやすく説明!アメリカのトランプが何故首都認定?

まとめ

海に囲まれた島国である日本にとっては、四国と淡路島を足したほどの面積しかないイスラエル内での紛争は理解し難いものがあります。

しかし、西はヨーロッパ、地中海、南にはエジプト、東には石油という資源豊かなアラブ諸国に恵まれたパレスチナ(イスラエル)の攻防は、3000年の歴史があり、根が深い問題なのです。

過去にイギリスによって引っ掻き回されたパレスチナの平和が、現在アメリカによってまた揺さぶられようとしています。

イスラエルとパレスチナの人々が自分たちで平和を勝ち取るためには、欧米はこのまま黙っていた方が良かったのではないか、と個人的には思います。

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