トランプ大統領によるエルサレム首都宣言の影響とは
こうした歴史背景を見ると、トランプ大統領のエルサレム首都宣言がいかに偏っていることがよくわかります。
イスラエル建国当初、アメリカはそこまでイスラエルに肩入れしていませんでした。
アメリカ政府の姿勢がイスラエル寄りになり始めたのは第二次中東戦争後、ソ連がアラブ諸国に影響を及ぼそうとし始めた頃からです。
アメリカは共産主義へ対抗するために、スラエルへの影響を強めていきます。
中東にも冷戦の構図があったというわけです。
その後、第三次中東戦争(1967年)でイスラエルがパレスチナをたった6日間で封じ込めた様子を見て、アメリカはイスラエルを同盟に値する軍事国家として認めるようになりました。
1971年以降、アメリカによるイスラエルへの援助額はどんどん増加して行き、2016年には3.9兆円に達しています。
ここまでアメリカがイスラエルに肩入れするのには、共産主義への対抗措置という意味もありますが、アメリカにある有力なユダヤ人ロビー団体(「パレスチナの地にユダヤ人の国を創ろう」という団体。1896設立)の影響も強いようです。
また、そもそもアメリカは国民の8割はキリスト教徒であり、プロテスタントの比率も高いので、「聖地エルサレムを大切にするというのは当然のこと」と考える土壌があるのかもしれません。
ついに1995年には、アメリカは大使館をエルサレムへ移転すべきという方針を打ち出しました。
しかし、ブッシュ大統領やオバマ大統領など歴代大統領は「延期」の判断を下し続け、慎重な姿勢を維持してきました。
しかし、ここにきてトランプ大統領の「エルサレム首都宣言」です!
エルサレムを公式の首都と認め、大使館も商都テルアビブからエルサレムへ移すというのです。
パレスチナ自治政府や、イスラエル周辺のアラブ諸国側にとっては、宣戦布告にも等しい宣言であり、この影響を受けてパレスチナ自治区とエルサレムでは増強されたイスラエル治安部隊とデモ隊との間で衝突が起こりました。
国連安保理も緊急会合を開き、各国がアメリカを批判しているので、アメリカは孤立状態になりつつあります。
【関連記事についてはこちら】
→パレスチナとイスラエルの違いは?パレスチナ自治区に首都はあるのか?
→エルサレム問題をわかりやすく説明!アメリカのトランプが何故首都認定?
まとめ
海に囲まれた島国である日本にとっては、四国と淡路島を足したほどの面積しかないイスラエル内での紛争は理解し難いものがあります。
しかし、西はヨーロッパ、地中海、南にはエジプト、東には石油という資源豊かなアラブ諸国に恵まれたパレスチナ(イスラエル)の攻防は、3000年の歴史があり、根が深い問題なのです。
過去にイギリスによって引っ掻き回されたパレスチナの平和が、現在アメリカによってまた揺さぶられようとしています。
イスラエルとパレスチナの人々が自分たちで平和を勝ち取るためには、欧米はこのまま黙っていた方が良かったのではないか、と個人的には思います。
スポンサーリンク