オバマ政権の立場
当時のオバマ政権の主要人物はシリア情勢に対して積極的に軍事介入すべきだという考えでした。
特にジョン・ケリー国務長官、チャック・ヘーゲル国防長官、スーザン・ライス安保特別補佐官、サマンサ・パワー国連大使の4名です。
まずケリー国務長官ですが、彼は国務長官就任にあたって「中東和平」を大きなテーマに掲げていました。
次にヘーゲル国防長官ですが、元々軍事費のコストダウンを主張していたものの、過去に対イラン政策が弱腰だという批判を浴びたことがあるため、対シリア政策は弱腰だと言われないように気を付けているようです。
ライス補佐官は、国連大使時代に起きたベンガジでのアメリカ大使館襲撃が「デモ隊の延長での偶発的な事件」だという見解を示し、認識が甘く不適切だと批判にさらされて国務長官になり損ねてしまった経緯があるので、厳しい姿勢を取っています。
パワー国連大使は、世界で虐殺を防止するためにはアメリカが積極的に関与する責任があるという持論をハーバード大学のケネディ・スクール(行政大学院)時代から主張しています。
過去のバルカン半島の問題や、リビアの問題でもアメリカの積極的な関与を強く主張してきました。
したがって今回のシリア情勢も同様にアメリカが積極的に関与すべきだという姿勢です。
そんなオバマ政権にとって、エジプトのモルシ政権が崩壊したこともシリアへ軍事介入する後押しになりました。
仮にシリアが報復としてイスラエルに侵攻したら、イスラエルでは敵対するエジプトとシリアに挟まれて混乱してしまうでしょう。
エジプトのモルシ政権崩壊によって、そのリスクが下がったことになります。
国連が間に入って解決をできればよいのですが、ロシアと中国が拒否権を行使するため、国連は何もすることができません。
「国際社会の平和のため」という大義名分が必要なアメリカは、NATOを建前にアサド政権を攻撃しています。
現在のアメリカのトランプ政権もこの流れを引き継ぎ、ミサイル攻撃を行いました。
まとめ
アメリカの軍事介入はアサド政権の交代を狙ったものではありません。
というのも、アサド政権が崩壊したとして、受け皿となる代わりの政権がないからです。
それでも強硬策を取るのは、化学兵器を使うことは許さないという原則がアメリカにとってそれほど重要であることを物語っています。
ロシアとの駆け引きに加え、宗教問題や中東諸国の情勢など複雑に利害が絡み合っていて、シリア情勢は解説策が見つけられず皆が困っている状態です。
長引くシリア内戦で、増加し続ける難民がヨーロッパでも問題になっています。
国際情勢の緊張に伴って、日本でも憲法改正をはじめ安全保障を見直さなくてはならない事態になっており、決して他人事ではありません。
シリアに平和が戻ることを切に願いたいものですね。
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