アメリカにおける行政のリーダーといえば大統領ですが、日本の場は大統領ではなく首相、つまり内閣総理大臣になります。
それは大統領制と議院内閣制という制度の違いによるものですが、この二人の選ばれ方にはどのような違いがあるのでしょう。
というわけで、今回はアメリカと日本の選挙制度の違いについて、わかりやすく解説したいと思います。
大統領制と議院内閣制の違いは?
アメリカの大統領と日本の首相、どちらも行政のトップという点は共通点していますが、両国の政治スタイルには大きな違いがあるようです。
アメリカでは、1787年に合衆国憲法が制定されて以降、フランスの哲学者モンテスキューの影響を受けた「三権分立」と、「大統領制」を採用してきました。
司法・行政・立法の3つが徹底して独立しているため「行政」における大統領の権力は強大です。
有事の際には、連邦議会(国会)の判断を待たず大統領の権限でスピーディに行動できるようなメリットがある一方で、トランプ大統領のように周囲の意見を聴かず、自分の考えだけで突っ走ってしまうことがある点はデメリットと言えるでしょう。
一方、日本の「議院内閣制」は、「内閣が議会の信任によって成立する」システムで、内閣(行政)と議会(立法)の間には密接な関係があります。
アメリカに比べると行政の動きはスピード感が欠けますが、米大統領のように独善的になりにくいのは長所です。
また、アメリカ大統領は議会から反発を受けても、日本のように「不信任決議」を出されることはありませんが、その分「法案提出権」や「議会解散権」がないという点が日本と大きく異なります。
加えて、日本の議員内閣制では、総理大臣は国会議員の中から選ばれ、各省の大臣も国会議員が兼務することが多いですが、大統領制においては大統領や各省の長官は、連邦議員と兼務することはできません。
これらのことから、アメリカは日本と違い、行政(大統領・首相)と立法(連邦議会・国会)がより徹底して独立していることがよくわかります。