関与している国

シリア内戦の主な関係国は次の通りです。
- アサド政権
+ロシア、イラン、中国、北朝鮮など
- 反政府軍
+アメリカ、イスラエル、トルコ、サウジアラビア、イギリス、フランスなど
- イスラム国
宗教問題に加えて冷戦の対立関係も絡んでいて、一見して複雑なのがわかります。
シリアを舞台に、世界各国の思惑が交錯している代理戦争とも言われています。
仲裁役となるはずの国連は、安全保障理事会で拒否権を持つ常任理事国のアメリカ、ロシア、中国が対立しているので全く役に立っていません。
アメリカとロシアが介入する理由
シリアの内戦に、なぜアメリカやロシアが関与しているのでしょうか。
それは、アサド政権が化学兵器を使用したからです。
シリアで使われた化学兵器はサリンや塩素ガスで、人が吸うと引きつけや痙攣を起こし、呼吸困難に陥って死に至ります。
簡単に製造できる上に、少しの量で大勢の人を殺害することができ、無差別的なので、世界的に禁止されています。
2015年には197か国が化学兵器禁止条約に調印しました。
世界の警察を自負するアメリカにとって、アサド政権がきわめて非人道的な化学兵器を使用したことを見過ごすわけにはいきません。
では、ロシアはなぜシリアを支援しているのでしょうか。
2000年代以降、親ロシアだったイラクやリビアの政権が崩壊してしまいました。
そこで残っているイランやシリアの親ロシア政権の重要度が増しました。
ロシアと友好的な国には、独裁的な国家が多く、2000年代に旧ソ連諸国で発生した「カラー革命」(グルジア、ウクライナ、キルギスで起きた体制転換)や前述のアラブの春の波をどこかで押しとどめようとした側面があります。
ロシア自体もプーチン政権が権威主義的で、民主化運動が活発化すると反プーチン運動が大きくなって内政不安につながる恐れがあります。
また、シリアのタルトス港にはロシアの軍事基地があり、地中海においてロシア海軍の影響力をキープするためにはとても重要です。
歴史的にも、シリアから兵器ビジネスのつながりでシリア人留学生とロシア人女性の結婚があった結果、シリアにはロシア系住民も多くいます。
そのため仲間意識が強く、ロシアが影響力を及ぼしやすい国とも言えます。
ロシアはアメリカの軍事介入に対して、化学兵器使用の根拠はないとして批判しています。
国際的な威信を維持するために、アメリカが反政府軍を支援していることに反発して、アサド政権を支援しているという節もあります。
アメリカの好き放題にはさせないということでしょうか。
まとめ
アメリカにもロシアにもそれぞれに事情があって軍事介入していることがわかりました。
一方で、それはアメリカやロシアの事情に過ぎず、軍事介入したことによってシリア内戦を泥沼化させてしまっています。
関わった以上、解決まで責任を持つべきではないでしょうか。
平和的解決ができるよう、交渉のテーブルを用意する必要があるように思います。
2017年の米ロ外相会談で、シリア問題の平和的解決を目指す方針で同意しました。
しかしながらまだ実現できていません。
2018年に入ってからも、空爆をしたりして軍事介入は続いています。
シリア問題が長引いていることで、国際的にも難民問題やテロの増加が起きています。
2020年の東京オリンピックを控え、世界中から人が集まる日本も、決して他人ごとではありません。
トランプ大統領の働きかけで、朝鮮半島問題が大きく前進しそうな兆しです。
米朝首脳会談も行われる予定です。
シリア問題も思い切った外交を期待したいですね。
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