1789年、当初13州しかなかったアメリカ合衆国でジョージ・ワシントンが初代大統領に選ばれた時、投票権を持つ人は、国民全体の6%に過ぎませんでした。
「各政党から大統領候補を選ぶ権利」は、各政党の幹部会などに握られていたのです。
こうした状況は19世紀前半ごろまで続きましたが、「民意が選挙に反映されないことに不満を持つ有権者」と「より多くの票を得たい候補者」とのニーズがマッチし、徐々に選挙権のハードルは下がっていき、20世紀以降は新しい選挙制度が導入されてきました。
それが今日のアメリカの「予備選挙」に繋がっています。
予備選挙は、アメリカ全土の意見を短時間でまとめるための手段がなかった時代にできた制度なので、「現在は形骸化しているのでは」という声も聞こえますが、実際の所はどうなのでしょうか。
今回は、アメリカの伝統的な「予備選挙」の仕組みとそのメリットデメリットについて解説します。